よく「映画を見ていて主演女優に恋をした」
と書いている作家などがいましたが、
僕にはその気持が分かりませんでした。
映画は好きでよく見ていたのですが、
確かに女優を見て綺麗だと感じても、
スクリーンを隔てた遠い存在だと思うと、
恋愛などという切実な感情はおきようがなかったのです。
ところが二十歳をすぎて偶然「ローマの休日」を見た時、
その現象が突然僕を襲いました。
オードリー・ヘップバーンが王女として冒頭から登場し、
宿泊していた宮殿から抜け出して、
グレゴリー・ペックとローマの街を観光することになります。
その途中、長髪が邪魔だと感じた彼女が美容室に行き、
短い髪型に変えてしまう場面があります。
そこで彼女が自分の様子を確認するために鏡を見ます。
そのショットを見た途端、
僕は心臓の鼓動が止まったかと思いました。
そこまで画面を見ながらも別に彼女の事を可愛いなどと感じなかったのに、
その短い髪型に変わった瞬間、
文字通り恋に落ちたのです。
それからは彼女の映画を何本も見ました。
今でも、彼女は僕にとって理想の女性です。
また恐らく「ローマの休日」は、
多くの女性にとって憧れの映画ではないでしょうか?
オードリー・ヘップバーンの髪型はもちろん、
服装、アクセサリーなどの小物もとても凝っていて素敵なので、
自分もマネしてみたいと考える女性は少なくない気がします。
このブログには、そういった映画の中の小物に関して色んな人が語っていて、
読んでいて興味深いです。